トマトの香りが毒に変身?成分の働きをいろいろとご紹介

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「香り」といえば、アロマ(精油)を
思い出される方が多いと思いますが
今回は視点を変えてアロマ(精油)以外の
香りについてのお話です。
 
 
私は家庭菜園で野菜を作っていますが
野菜にも香りがあります。
 
パッと思いつくものでは
玉ねぎ、ネギ、にんにく、春菊、トマト、セロリ、にんじん・・・
セロリ、にんじんは精油でもありますね。
 
 
                                          トマトは、実だけではなく
葉っぱもトマトの香りがするんです。
私が栽培しているミニトマトの葉っぱも
トマトの爽やかな香りがします。
 
今回は、このトマトの香りについて
ご紹介したいと思います。
 

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トマトが嫌いな理由

トマトケチャップやスパゲティの
トマトソースは好きなのに
生のトマトは嫌い!
という方、特にお子さんに多いのではないでしょうか。
 
嫌いな理由には
ゼリーの種の部分が嫌い!
完熟していないトマトの青臭い香りが嫌だ!
酸味が嫌だ!などなど・・・
 
その他にも嫌いな理由はあるかもしれませんが
大まかにはこんなところではないでしょうか。
 
 
その中でも、青臭い香りが苦手という方にとっては
嬉しい研究が進んでいます。
 
 
「青臭い香り」のことを「みどりの香り」というそうですが
これは植物の青葉から出ている香りのことで
昔から研究はされていたようです。
 
「みどりの香り」の仕組みの
大部分に関してはわかっていたものの
「甘いみどりの香り」を生み出す酵素の特定が
これまでは難し状況でした。
 
しかし、2016年の神戸大学の研究により
その酵素が特定されたのです。
 
研究については、記事一番下に
参考までに引用しましたので
ご興味がある方はご覧下さいませ☆

トマトは香りで助け合い?

トマトの香り成分は

ヘキサナール、シトラール、
ヘキサノールなどがあり
青臭い香りは、3-ヘキサナール

トマトの生はダメだけど
トマトソースなら好きという方は
煮込むことで苦手な成分が
蒸発したから大丈夫だったのですね。

またトマトは、害虫に食べられた仲間の
香り成分を取り込み、トマト自らの体の中で
害虫を減らす毒に作り変えるそうです。
そうすることで危険から身を守っているとのこと

※京大と山口大の研究チームにより解明

トマト同士が香りで助け合いの
コミュニケーションを取っている

ということなんですね。

なんだか、かわいいですね~
ミニトマトを栽培していだけに
愛着がわいてきちゃいますね・・^^;

そしてケチャップやソースなどの加工された
トマトの香りには、
ジメチルサルファイド(硫黄化合物)や
リナロールが含まれます。

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リナロールを含むアロマ(精油)たち

リナロールは、アロマ(精油)にも
含まれている成分で
作用としては鎮静、血圧降下、抗不安
神経強壮、疲労回復など
があり
下記のアロマに含まれています。

ローズウッド、バジル、ラベンダー
ベルガモット、ゼラニウム、
クラリセージ、イランイラン etc・・・

バジルはトマトとも相性が良く
料理だけではなく
栽培にもコンパニオンプランツとして
一緒に植えられることもあります。

私も借りている農園で
ミニトマトとバジルを一緒に植える計画です(^^)

近いうちにミニトマトについての
記事もご紹介したいと思います☆

 

トマトはなぜ青臭い? -「青臭い」香り成分を「甘い緑の香り」にする酵素を特定

植物特有の「青臭い」香り成分を「甘い緑の香り」に変換する酵素を特定しました。青臭さを軽減した甘いトマトの生産などへの応用が期待されます。

植物の青葉から放出される香りは「みどりの香り」と呼ばれ、古くから盛んに研究されてきました。「みどりの香り」のひとつ2-ヘキセナールが1912年に発見されて以降、研究が進展し、「みどりの香り」が生成される仕組みの大部分が明らかになりました。しかし、なかでも重要なステップである3-ヘキセナールから2-ヘキセナールへの変換については、何らかの酵素によるものと推定はされていましたが、その詳細は不明でした。

また、3-ヘキセナールが不快臭に分類されるのに対し、2-ヘキセナールは芳香に分類されるため、成分の存在割合は食品の品質に影響を及ぼします。例えばトマトの育種では、3-ヘキセナールを減少させ2-ヘキセナールを増やした甘いトマトの作出が必要ですが、酵素が不明なため人為的な制御が非常に難しい状況でした。

ガスクロマトグラフィーによるトマト香気成分の分析。ヘキセナールイソメラーゼ活性を高める事によりトマトの香気成分を変化させる事ができた。

研究グループは過去の文献調査を行い、研究材料としてパプリカに着目。市販のパプリカの果実から12マイクログラムの純粋な酵素(ヘキセナールイソメラーゼ)を精製し、遺伝子を特定しました。その結果、同様の酵素がナス科、ウリ科、マメ科、イネ科のほか、木本類などの植物に存在し、3-ヘキセナールから2-ヘキセナールをつくり出す能力を多くの植物が備えていることがわかりました。
さらに調査を進めると、トマトには2-ヘキセナールを作る遺伝子があるにも関わらず、ほとんど機能していないことがわかりました。そこでパプリカから精製したヘキセナールイソメラーゼをトマトで発現させたところ、3-ヘキセナールが減少し、2-ヘキセナールが増加しました。

これらの結果により、ヘキセナールイソメラーゼを人為的に植物の中で機能させることが可能となり、ヘキセナールの存在比をコントロールすることが可能になったと言えます。青汁や野菜ジュースなど、青臭い匂いがネックとなっている加工食品の匂い低減のほか、ヘキセナールイソメラーゼの遺伝子をマーカーとして、この酵素がよく働いている品種を選抜することで、青臭い匂いが低減された品種を特定することが可能になると考えられます。

神戸大学大学院農学研究科植物機能化学研究室の國嶋幹子さん(博士後期課程3年)、山内靖雄助教、水谷正治准教授、杉本幸裕教授、同天然有機分子化学研究室の久世雅樹准教授、滝川浩郷教授らの研究グループ

 まとめ

香りはアロマ(精油)以外にもいろいろあります。
 
 
中でもトマトの青臭い香りが嫌い!
という方は、近い将来に好きになるかも?!
トマトを青臭い香りから
甘い香りに変える酵素の発見があったからです。
 
またトマト同士で香りの助け合いをし
危険から身を守っているというのも驚きです。
 
 
そして加工されたトマトには
アロマ(精油)にも含まれるリナロール
という成分が入っています。
 
リナロールは、トマトと相性が抜群の
バジルにも含まれている成分で
 
鎮静、血圧降下、抗不安
神経強壮、疲労回復などの作用
があります。
 
 
今回はトマトの香りについてご紹介しました。
アロマ(精油)ではない、野菜の香りを
あなたも探してみてはいかがしょうか。
 
五感の中でも嗅覚は
まだまだ解明されていない分野ですが
身近な野菜の香りを発見することから
始めてみるのも面白そうです♪
 
 
最後までお読みいただきまして
ありがとうございました☆
 
 

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